日本統治下の朝鮮。
ソン・ガンホ演じる刑事と独立運動組織・義烈団を巡るスパイ映画。
たぶん元ネタになってるのは、数年前に公開された英国情報部の秘密文書で、それに上海天長節爆弾事件を組み合わせた感じ。
韓国の抗日ものの中では史実との乖離も比較的少なく、なかなか面白い。
ユニークなのは主人公を朝鮮人でありながら、日本の警察に勤務しているという、アイデンティティに迷った"裏切り者"に設定したこと。
彼が組織を探る工作と、ミイラ取りをミイラに、逆に組織の密偵として引き込む工作とが絶妙に絡み合う。
敵味方とも疑心暗鬼の中、列車内の駆け引きは手に汗握る。
朝鮮独立運動を描いた作品は、基本どの作品も朝鮮人同士で殺し合ってて、そこがまた非常に韓国映画らしいのだけど、これは珍しく鶴見辰吾演じる日本人の冷酷な悪漢がいるのも良い。
裏切り者の更生という展開には、やはり動機となる明確な敵対者が必要だから。
世界観の作り込みも素晴らしい。
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