テリーマザーファッカー虎

トンネル 闇に鎖(とざ)された男のテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

3.7
極限型閉所状態脱出スリラーというと『リミット』や『ブレーキ』日本だと塚本晋也監督の『HAZE』なんて映画がありましたが、どの作品もだいたい100分以内に収まるジャンクフード的スリラー映画で"主人公が何故この状況に陥ったのか?"や"どうやって脱出するのか?"などの要素に焦点が当たる作品が多いいなか、本作は120分越えかつ状況の理由もハッキリした上に主人公に脱出能力は無くひたすら救助を待つという展開で、下手をすればアンビリーバブルや世界仰天ニュースの再現ドラマになりかねない案件をしっかり二時間持たせていて素晴らしかったです。

主演のハ・ジョンウは流石というべきか憎めないキャラクターを愛嬌たっぷりに熱演していて一人芝居でしっかり映画を引っ張っていたし、脇を固めるペ・ドゥナやオ・ダルスも好演していて良かった。

人間ドラマにスポットを当てた脚本も良くて人情ものながらオチも皮肉が効いていて面白かったです。

ただ、ご都合主義的な展開や大事な場面を見せなかったりと不満が無いわけではないのですが、充分楽しめました。