次男

アシュラの次男のレビュー・感想・評価

アシュラ(2016年製作の映画)
4.1
ずっと地獄。開始からずっと、マジでもうどん詰まり過ぎて、もう少しエンタメしてくれよ…と懇願したくなるくらい酸素が薄い。めたくそ苦しくて、どうすればこれゴール?と思ってたら、ラスト30分はもう、まんま地獄。近年稀に見る地獄絵図。『アイアムアヒーロー』のラストが50地獄やとしたら、140地獄ぐらいあった。

◆◆

・ヒーロー不在
主人公はいるんやけど、ヒーローはいない。「こいつさえいれば!」な、「こいつは死なないやろ!」な、視聴者の精神を助けるような、ヒーロー。心待ちにしていたけど、そんな生易しい存在はいない。

・頭脳戦とかじゃない
頭脳戦とかじゃない、て頭脳戦的なものもあったけど、頭脳とかじゃ済まなかった。「これがこうだからこうだ!どうだ!」「ぐぬぬ」これで済んでほしかった。

・韓国のロケーションの真価発揮
こういう泥と血に塗れた物語が最適すぎる、韓国の街の汚い側面。料理もいいよね、ジャージャー麺とか。

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なんだか地獄地獄の連呼になったけど、血みどろだけで済ませてない、映像の力も。

なにより驚いた映像は、カーチェイス。あんなカーチェイス、初めて観た。「CGだ」と言ってしまえば終わりなんだけど、浮遊するカメラが異様に二台の車を行き来して、「前代未聞のカーチェイス映像」はもちろんなんだけど、主人公の倒錯感というか、ああ、もうこいつ、ほんとやばいんだなあって、つくづく思った。なんて刺激的で効果的な。

名優名演はもう言わずもがな。ファン・ジョンミンとクァク・ドウォンはもう殿堂入りだろ…。

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僕だったら、始まって15分くらいの状況で、自害したくなってると思う。無理無理、もう無理すぎる。もう死にたすぎる。

でも死なない。なんで死なんの?なんで頑張るの?そういうもんなの?人間の基本スペックがわからんくなる。
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