素晴らしい裁判劇であり、ホロコーストについて振り返り検証する歴史ものであり、勝つための戦い方を教えてくれる人生ドラマだった。
110分に凝縮されたテーマと、その場に立ったかのように臨場感あるアウシュビッツの映像に鳥肌が立ち、涙する。
あった事を「ない」と言い張り歴史を歪曲し特定の民族を侮蔑するレイシストには天罰が下ればいい!とムカムカすることしきり……
だが、それはヒロインの心情に同化しているからで、実際にはもっとクールな戦いが繰り広げられる。勝つ秘訣は、たぶん「クールになること」。
徹底して勝つための戦略を繰り広げていく弁護団。その真摯なお仕事の姿勢にホレる。
英国では被告の方に立証責任があるという法の仕組みを利用した裁判。ホロコーストは「あったのかなかったのか」という話ではなく、あったという証明を通して真実への導き方を示す話。見応えあった。