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君の名前で僕を呼んでのamuのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

幸せで哀しくて尊い時間だった。
同性愛だからこそこの尊さはより一層のものだったのか。わからないけれど、仮に異性だとしても、その関係性に名前なんか付かないほどその人を一人の人間として必要とし愛した時のこの別れをどうこの先消化していけるというのだろう。忘れたくないほど幸せで、幸せすぎたから忘れたくて。君の名前で僕を呼んで。あぁ、、、泣

イタリアの田舎町の空気感と、夏と、夜と、朝と。すごく古い作品なのかと思ったらそこまででも無くて。でも時代設定は1983年ということもあって、その古き良きさが映像の全てに表現されていた。色味もカメラワークもとても良かったし、なんでもないひと夏さがより愛おしかった。

こんなにも理解あるできたご両親の息子であるエリオは本当に幸せだと思った。また、あんなに普通に両思いのような日々を送りながら「私、彼女だよね?」的な質問に最低すぎるジェスチャーのみであっさり切られた女の子にも、「怒ってないよ。一生友達だよね。」と握手を求められるエリオ。どこまでも人たらし!(褒めてる)

ラストからのエンドロールがこれまで見たことの無い斬新かつ美しいエンドロールで、エリオの言語化出来ない感情をこの余白で余韻とした見せ方がとんでもなく素晴らしかった。そしてハエが非常に気になった。雪の降る真冬にもハエっているんだ、、と気が散りつつも、エリオの表情のみでの演技がまた素晴らしかった。
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