ずどこんちょ

くるみ割り人形と秘密の王国のずどこんちょのレビュー・感想・評価

2.9
ディズニーが「くるみ割り人形」をついに実写化……という謳い文句の通り、ディズニーだからこそ実現できたファンタジーで華やかな美術セットや衣装が圧巻でした。
どこを切り取っても美しい。4つの王国もヴィクトリア朝時代のロンドンも華やかで綺麗。
主人公クララの兵服もめちゃくちゃカッコ可愛い衣装でしたね。秋元康のアイドルとかでそのまま衣装で使ってそうな洗練されたデザイン。

その衣装や美術の華やかさに負けず劣らず世界観にハマっていたのが、クララを演じていた若手女優マッケンジー・フォイの輝かしさでしょう。透明感がありながらしっかり芯のある目をしていて、アン・ハサウェイを彷彿とさせる面影は今後の活躍に期待できます。
実はこの子、『インターステラー』で宇宙飛行士として旅立つ父との別れに涙を誘った小さな娘マーフですよ。こんなに成長していたのですか!マーフの出演時間って映画全体で見ればほんの僅かなのに、あれだけの時間で娘と父の別れという悲しみを誘うことができたのは、彼女の演技力があったからこそ。
マッケンジー・フォイは次世代ハリウッド女優を台頭すること間違いなしなのではないでしょうか。

ストーリーは凡庸ですが、芸術点は最高。
「くるみ割り人形」の世界観を大切にして、途中でバレエが繰り広げられたりするところは現代映画に、あえてクラシックな演出を取り入れたようで良かったです。