猿山リム

二度めの夏、二度と会えない君の猿山リムのレビュー・感想・評価

2.8
 夏に夏の作品を読もうと原作小説読了後に鑑賞。
 タイムリープモノではある。
 タイトルから推測できるように「君」は亡くなってしまう。
 繰り返した夏に、あのとき伝えられなかった「言葉」を伝えたい・・・と、言う作品は割とある。
 あのとき伝えてしまった言葉を伝えない、繰り返しの夏の物語。

 映画の感想をざっと見渡すと、物語の評判は芳しくないようだ。
 映画の物語が、原作のダイジェストになってしまっている部分も大きいと思う。
 著者は、普段こんなラブロマンスを書くような作家でもなく、ロマンスとしての完成度は決して高くない。
 そんな作品をダイジェストにしてしまったら、そんな感想にもなろう。
 制作陣がどんな人たちなのかわからないが、小説を補完して映画ならではの視点で再構築して、原作で語られなかった辺りをすっきりさせるような形を期待していたが、そんな作りではなかった。
 
 不完全な物語ながら、伝えてしまった言葉を無かったことにしたい主人公の思いに共感し、なんとなく思い入れの高い作品。
 わたしにとっては、原作が一度目と解釈すれば、二度目の「ニドナツ」であり、より完成度を増したモノを期待してしまった部分はある。

 原作ファン視点から言えば、ドラムの娘はもっとキモ(コワカワイ)くてもよかった気がする(そこか!?)。
 作中曲は、実在するバンドの曲のようだ。
 そのバンドのヴォーカリストが実際に劇中のヒロインを演じているようだ。
 いい歌なワケだ。
 検索すると「「ニドナツ」ワンマンライブツアー2017」なんてDVDも出しているようだが・・・生きてちゃダメな気もする。
 通常版だからか、わたしの買ったDVDにはオーディオコメンタリーもメイキングなどもなかった。
 こういう事情の作品なら通常版でも主題歌のPV辺り入っていても良かったかなと思わないでもなかった。
猿山リム

猿山リム