真っ黒こげ太郎

タイム・ダイレイション-死のベッド-の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.0
これタイトルは原題通りに「ベッド・オブ・ザ・デッド」とかにした方が良かったんじゃないの?
(あるいは「アタック・オブ・ザ・キラー・ベッド」とか。w)

「ベッド・オブ・ザ・デッド -タイム・ダイレイション-」みたいな邦題なら、分かりやすさとネタっぷりが両方そなわり最強に見え…

…見えないな、うん。(俺の頭がおかしくなって死ぬ)




とあるフードの男達が、男を木に吊り下げてナイフで刺し殺し、謎の儀式を行った。
そして月日は流れ全てが忘れ去られた頃に、その木が切り倒されキングサイズのベッド用の木材となり…。

更に月日が流れ現代、怪しいクラブ(完全に風俗)と併設されているモーテルの一室で、謎の変死事件が発生する。
ベッドの下で焼死体になったり、天井のガス管の上で内臓を抜かれたりと不可解な死遂げている被害者。

被害者の男女4人は改装中の一室に泊まっていたが、彼らが寝ていたベッドは謎の儀式が行われていた木材で作られた、呪いのベッドだった!!!
彼らは降りたら即死!なベッドの呪いによって次々と犠牲になってゆくが、生き残った一人のサンディがどうにかケータイで助けを呼ぶと、変死事件を調査している刑事、バージルのケータイに時間を超えて繋がった!?




呪われた木材で作られたベッドによって、泊まった人々の身に呪いがふりかかる、「タイムトラベル」要素も一緒になった、オカルト・ホラー。

GEO先行でリリースされてる本作だが、上記の本国版Blu-rayのジャケの様にホラー丸出しではなく、何故かSFサスペンス映画チックなジャケと邦題でリリースされてしまっている本作。

お陰で本作がスプラッターなオカルトホラーだと気付くのに時間が掛かってしまった…。
…何時もの事なら何で血みどろホラー映画であると一目で分かりやすいジャケにしないんだ。
こんな原題なら「○○・オブ・ザ・デッド」の仲間に入れて話題にできるチャンスだろうに!何カッコつけてんだ!!!

…まぁ、そんな過ぎた事を嘆いてもしょうがない。


今作は、とあるモーテル兼風俗に泊まった男女が寝ていたベッドの呪いによって恐ろしい目に遭う様と、後日にその部屋の変死事件を調べに来た刑事のパートが並行して描かれる。
正直、血みどろスプラッター目当てで見た自分は「普通に宿泊客が呪いのベッドで死ぬ姿だけで進めればいいのに、何でこんなまどろっこしい構図にしたんだ」と不満だった。

しかし、中盤で携帯を通じて被害者側と刑事側がケータイを通じて、ズレた時間の中でコンタクト!!!
そこから、登場人物が背負った罪、呪いのベッドの呪いが発生する条件、そして通話した女性を救うための刑事の奔走など、先に読めない展開の連続で面白く見れる。
そしてその果てにあるオチも、中々捻りが効いてて悪くない。

…こうして思い返してみると、日本版ジャケも案外ウソじゃないな。w


因みにベッドの呪いは、周囲に幻覚を見せたり、物凄い怨霊の力で引き裂いたりするオカルト系で、その描写は結構真面目。
(貞子のパチモンとかが出てきたりするがw)
死人自体は少なめだが、殺され方は中々に凝っており、結構スプラッターで血みどろな死にざまを見せてくれます。
(そうじゃない人も2人程いるが)


映画自体は物凄い低予算丸出して、登場人物は少なめで地味ではありますが、演出やストーリーは見入るし、テンポも良く、一見ごちゃごちゃな刑事側と被害者側のそれぞれのパートがキチンと繋がる点も上手い。
スプラッターやオカルトシーン等、娯楽的な見せ場もきっちり見せてくれます。

惜しむらくは、2つのパートを同時進行してる所為でバタバタと忙しない感じがするのは否めなかった。
途中でパートを上手く合わせる為だからしょうがないんだけど、もう少し見やすくして欲しかった。

ガチガチのホラーなのでSF感は薄いが、血みどろオカルトホラーとタイムトラベル要素を無理なく上手い塩梅で融合させた中々の良作です。

まぁ残酷ホラーに見えないジャケは少し考え物ではありますが(爆)安定のGEO先行の良作B級ホラーなので是非。