アラサーちゃん

羊の木のアラサーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

羊の木(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

前にインスタに挙げていたレビューばかりコピペしているので、最近観た映画を記憶紐解きながらレビューしていきます!

てことでいちばん最近観たコレ。

過疎化が進む田舎町に、国家機密の極秘プロジェクトで移住してきた六人の元殺人犯。それを知ってしまう市役所職員の月末。戸惑いを隠せないまま彼らを見守ることになるが、彼らは不本意に、しかし着実に、月末の生活に介入していく。

それは狭い田舎町では仕方のないこと。どこかで繋がる。どこかでぶつかる。
〖市役所職員〗という仮面をかぶって笑顔で接している腰の低い月末だが、その仮面が剥がれた状態で、彼らが抱える問題と直面した時、彼はどんな自分でいられるのだろう。

邦画あまり観ないんですけど、今流行りの富山舞台ですからね!富山県民なのでいってきたら、平日朝イチだったにもかかわらずオジサマオバサマが多くてちょっと辟易。

吉田大八は特別好きというわけでもないので、あまり数観ているわけではないんだけど、どんな作品だろうがラストにものすごい変化球の〖恐怖〗をぶん投げてくる人だなって思う。
吉田大八サスペンス。そこにあるのが怯えだろうが、笑顔だろうが、血だろうが、太陽だろうが、なんかもうすべてがサスペンスの要素にしかならない、そんなとてつもない一瞬を撮るのが上手い気がする。

これもしかりだった、やっぱり、プッツンした松田龍平の漁港のシーンは素晴らしかったですね。あの数秒の鋭さ、さすがでした。

正直あのシーン、予告に入れたいくらいのインパクトだったけど、オチ丸わかりになっちゃいますもんね。そう思うと、松田龍平の代名詞がわりに何度も登場する運送のミニバン、あんなにカラフルめわかりやすくしなければ予告に入れてもそんなにネタバレにならないかなぁとか、でもあのシーン自体がR指定かなぁとか、・・・どうでもいいことをちまちまと考えていました。

肝心の内容は、面白かったけど、せっかく六人いるのになんかもったいないというか、しっくり来ない使い方というか。原作知らんけど。
田中泯と安藤玉恵のサブストーリーは良かったけど、かなり好きだけど、メインの邪魔しているようにしか思えなくてもったいない。市川実日子もせっかくなのになー。細田善彦とかもっと不気味なミスリード期待してたんだけど、そこもちょっと残念です。

理髪店で錦戸亮が髭剃られてるシーンがなんだかんだ一番よかった(笑)
そして『いいとこですよ、人もいいし、魚もうまいです』の一言ほんと笑う。その通りでしかない。

エンドロールすごくよかった!
斜めに流れていって、微妙な位置でぼやけて消える。なんじゃこりゃ?と思ったら、海に溶けて消えていくっていうニュアンスだったんですね。
母なる『海』が大きな意味を持つ本作において、最後まで抜け目ない演出でございました。