「因果応報なんだけど…。」
連続ドラマ最終回からの完結編。当時はちょっとした昼顔ブームで不倫に憧れる奥様方を増殖させた。自分はドラマを見たこと無かったが、ダイジェスト映像を見てから程度でもついていけたので、ドラマを全部見るのもなあと思ってる人は簡単なあらすじだけでも知っておけば大丈夫。本編では過去を振り返るとかは全くないので注意。
見る前までは軽いタッチで不倫ブームを作りたかったような感じだろ、とちょっと偏見を持っていたが、想像以上に重かったし不倫という行為がどれだけのリスクを背負うかを真っ向から描かれているので良い意味で驚いた。てか初っ端から切ない感じで始まるし、ドラマの最終回も相当な修羅場と決断があったんだろうと頑なに見て取れる。
とにかく北野の嫁が何をしでかすか分からないホラーばりの演技と演出なのが最後まで緊張感を持続させた。「何も悪いことしてないのに」って台詞がなかなかキツイ。見てると不思議と北野嫁が悪役になり、紗和と北野頑張れって気持ちになるのが既にこの映画のマジックにやられている証拠なんだろうなあ。端から見ると悪いのは誰でもなく紗和と北野なのに。
不満は紗和のバイト先の連中がどうにも嫌な感じだったなあ。特に若いバイト女が流されるだけの女っぽくて嫌だったわ。オーナーの嫌がらせはワケがあったのでまあ許容範囲であった。このオーナーとも不倫すんじゃねえかとかドキドキしながら見てたよ。
そして物語は驚愕のラストへと収束していく。いやいや、掘り出し物的な感じで十分面白かったよ。
余談、上戸彩を久しぶりに見たけど、いやあこういう役も意外とサマになってたな。演技上手かったよ。
----------ここからネタバレ----------
まさか北野が死ぬとは思わなかった。なんか車で送るとか言ってた時点で怪しいなあとは思ったけどさあ。そして北野嫁だけ生き残ってる皮肉がまたなんとも後味悪い。不倫という一般的にはイケないコトをした2人の落としドコロとしてはまあ仕方ないのかなあ。
ラストに電車の道で仰向けになる紗和見てまさか電車に引かれて死なないよな、と思ったけど流石にそれは無くて安心した。妊娠をしていたというベタな終わり方だったが、生きていく意味ができたって点ではこのラストはまだ救いがあって良かったよ。
