ひかる

女神の見えざる手のひかるのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
3.5
冒頭のソクラテスの引用から、本作が裁判劇になることが予見される。勝利にこだわるアンチヒーローとしての主人公の脳内とシンクロするような慌ただしい編集と怒涛のセリフ、だが、その編集はあくまで主人公と観客を並走させるだけであり、何を考えているかまでは明かされない。種明かしは毎回驚きである。プライベートを描いても、何を考えているかは徹底的に描かない。理念ではなく、勝利への執着しか見せないことで、主人公のキャラクター造形をより深めている。死刑を免れたソクラテスは次はどこへいくのだろうか。
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