Arbuth

ジェーン・ドウの解剖のArbuthのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
4.7
怖かった。めちゃめちゃ怖かった。昨日観た「ラ・ヨローナ」がアレだったので口直しに観たけど、補って余りあるレベルの良質ホラーだった。

洋画のホラーって危険を顧みないおバカな女子大生とかが主人公なのがテンプレだけど、今作は科学の僕ともいうべき解剖医の親子(中年オヤジとその息子)。典型的なホラーの犠牲者とは程遠い人選が新鮮だった。

死体安置所に運ばれてきた身元不明の美女の解剖で始まるホラーショー。のっけからなんか怖い。美女の裸体なのに全然エロくない。
解剖しながら少しずつ覚える違和感。遺体の不自然さがやがて不気味さ、恐ろしさに変わる。途中までどういうジャンルのホラーなのかすら分からず、ドキドキしながらどんどん引き込まれる。
というか中盤まで動かない死体を前に2人の男が会話してるだけなのにどうしてここまで恐怖を煽れるんだろう。絶対に動かないはずの死体が今にも動き出すんじゃないかってハラハラしてしまった。

洋画だけど怖さの質は貞子などのジャパニーズホラーに近い。じわじわと怖気立つ類の恐怖。終盤の理不尽なくらいの圧倒的な恐怖と絶望感。「ブレアウィッチプロジェクト」にもちょっと近い感じかも。

ラスト、一安心させてからのダメ押しも冒頭の惨劇の伏線回収も見事。綺麗にまとまってた。

最後のあのセリフだけ、色々考察を読んだけどどれもイマイチピンと来なかった。どういう意味だったんだろう…。

最後に。ジェーン・ドウ役の女優さん、死体なのにめちゃめちゃ美しすぎ。すきっ歯もキュート。次は動いてる彼女を観てみたい。
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