じぇれ

アンダー・ザ・シルバーレイクのじぇれのレビュー・感想・評価

3.8
【ポップカルチャーへの憎悪】

美しい隣人が消え、青年は彼女を探し始めるのだが......

前評判通り、ヒッチコックへの敬愛が伺える作風。しかし、次第にヒッチコックに憧れたデパルマへの憧れにも思えてきます。

な~んて話は、この作品の表層にすぎません。
私が知る中では、安部公房の『燃えつきた地図』に最も近い肌触りで、美女を捜しているはずが気づけば自分探しをしている物語。

実は、結構単純な物語だと思いますが、ポップカルチャーやカルトなどをふんだんにぶち込んで、観客を”めまい”でクラクラさせていますね。

また、ポップカルチャーファンに薦める風潮がありますが、いかがなものでしょう?
ポップカルチャーへの偏愛の果ての憎悪すら伺える内容で、ひょっとしたら怒り出す方もいるかもしれません。

とまぁくどくど書いてきましたが、本作は、前作の成功によって自由を得た監督が、容赦なくやりたい放題やっている作品。好き嫌いはかなり分かれるんじゃないかと思います。

でも、私は好きです。近年でも有数の刺激体験ができる作品ですから。
えっ?本当にそんなに刺激的なのかって?
信じるか信じないかはあなた次第!
じぇれ

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