映画「イット・フォローズ」を見て私にはいまいち釈然としない内容だったので、同監督の最新作を見てきました。なるほど、こういう監督さんだったのですね、少し理解できました。
この映画には過去の映画や音楽などの引用がたくさん出てきます。
序盤の演出で何かの映画に似てるなと思っていたら、思いついたのはヒッチコックでした。と思っていたら画面にヒッチコックの文字が。
普通の日常の中なのだけれでも、良く見ると少しだけ異常なことを見つけてしまう。その違和感をヒントにして主人公（＝私）の物語が始まる。その物語は、ホラーなこともあれば（イット・フォローズ）、哲学なこともある（本作？）。
今回の本作は、LAのシルバーレイクに住むダメ人間の主人公男性が、アパートから見える女性に恋心を抱いてしまい、その女性の突然の失踪の理由を追いかけることで、自分とは何か、自分が住むこの世の中とは何か、人生の意味とは何かを考えていく映画になっています。途中地下にもぐる場面もあります、「アンダー・ザ・シルバーレイク」ですね。
結局、この世界はくだらないものばかりだと知ってしまうけど、それでも生きていくしかない。なぜならばその世界でしか私は生きていないのだから。
ストーリーだけで何か意味があるという映画ではないので、実際にこの映画を見て何を感じるかは見る人それぞれになってしまうと思います。見る方はそのつもりで見ましょう。
こういう賛否を呼ぶ映画は、映画界に少しは必要だと思っています。
(2018/10 公開時映画館にて、字幕版)
