こんな「変」な映画にカネを出してもらえるハリウッドって凄い。
一方でディズニーやマーベルのように世界じゅうでウケるものを作りながら、こんなわけのわからない映画も撮る。
ジャンルもサスペンスでも、ホラーでもなく、青春ものでもなく、単純に分けられない。アート映画?でもないし。
監督は、このあたりに住んでいた自身の無名時代を振り返って、何者にもなれない三十代のオタクを主人公にし、夢というより妄想と現実をシャッフルした。
その表現センスが強烈で、容赦がないところが特長なんだと思う。
ともかく、インパクトは凄い。
なんでもかんでも見せちゃうし、プチ「ラース=フォン=トリアー」監督か?感もあるが、やはりデビッド=リンチ、リスペクトだな。
コーエン兄弟や、ポール=トーマス=アンダーソンなどはもちろん、ヒッチコック(へのオマージュ)も入っている。
先に挙げたものの元になっていて、ハードボイルドの最高傑作だと思っているアルトマン監督の『ロング・グッドバイ』はいわずもがな。
こうして、語ることが多い映画は、自分の基準では良い映画なので良い。