うるぐす

おとなの事情のうるぐすのレビュー・感想・評価

おとなの事情(2016年製作の映画)
4.5
この映画は観た方がいい。
とても面白いから。
ただし、恋人とは観ない方がいい。
不安になるから。
3組の夫婦と1人の男が、スマホをテーブルの上において、通知をシェアし合う。
こんな恐ろしいゲームがもしも流行ったら困る。だから、あんまり多くの人の目には届かないで欲しい。
でも、めちゃくちゃ面白かった。。
葛藤です。観て欲しいけど、大切な人には観て欲しくないような。笑

この世で、一番信頼できるのは、今やスマホだと思う。
スマホにだけは自分の感情も欲望も全てが露わに剥き出されてる。そのおかげで、他人とのコミュニケーションは円滑になる。そう言う側面もあるのではないか。
「スマホはもはや臓器」と歌ったキュウソネコカミの的確さに舌を巻く。

映画の序盤で登場人物それぞれがなにかを抱えていると言うことを最短で適切に描写し、全員が集合。
そしてこのゲームが始まる。
人間関係の配置が絶妙で、付き合いの長い幼なじみに新参者を配置することで違和感を生じさせている。そこから徐々に、夜が更けていくにつれて、ゲームがどんどん絶望へと導かれる。誰にでも隠し事はある。隠すには理由がある。自分がやる事を反対されるのが嫌だから。怒られるから。揉めるから。今までの関係を壊してしまいかねないから。
そのゲームを始めたシリアルキラーの、秘密。あのシーンが最高にエロかった。一瞬なんだけど。結局、見えないからエロいのだ。

最後のシーン。今のところまだ咀嚼し切れてないけど、あれはあくまでとある月食の日の一夜に行われたゲームに過ぎない、ということなのか。
現実とゲーム。どこまでがリアルなのかがわからない。でも、それは現代人にも置き換えられる。スマホの中の自分と、誰かに接する自分。どちらがリアル?


多分、もう一回見るとまた新たな発見がありそう。
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