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廿日鼠と人間のameoのレビュー・感想・評価

廿日鼠と人間(1939年製作の映画)
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1930年代、大恐慌時代のカリフォルニア州サリナス。農場を巡り生活する二人の男、口が達者で頭の切れる小男ジョージ(バージェス・メレディス)と、頭は鈍いが純粋な大男レニー(ロン・チェイニー Jr.)には、誰にも指図されない自分達の農場を持つ夢がある。トラブル続きの末に辿り着いた新しい働き口の農場での物語。

監督はルイス・マイルストン。ベッサラビア(現モルドバ共和国)のキシナウに生まれ、戦時中に教育映画の製作に関わった後にハリウッドに入り、「西部戦線異状なし」(1930年) 等を手掛けた監督。原作はジョン・スタインベックの1937年発表の小説を、ジョージ・S・カウフマンが戯曲化し、その後に映画化。

大恐慌時代の農場というと、「麦秋(むぎのあき)」(1934)を思い出しましたが、当時はこういった作品が多かったのかも。「麦秋」は人間の力強さが描かれていましたが、「廿日鼠と人間」では対照的に人間の弱さや儚さが描かれていて、余韻を残す作品でした。

俳優陣が皆とにかく味のある演技で素晴らしい。主人公の二人はもちろん、老農夫キャンディ役のローマン・ボーネン、男気あふれる農夫スリム役のチャールズ・ビックフォード、農場に嫁いだ女メイ役のベティ・フィールド等々、他の作品も追いたくなる俳優が多かったです。

農場や森の自然、それから随所で現れる動物など、当時の風景を感じられるのも楽しかった。
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