ベべべっち

君が描く光/ケチュンばあちゃんのベべべっちのレビュー・感想・評価

4.3
空と海どっちが広い?

TSUTAYAディスカスのレンタルで2ヶ月弱待たされた作品。
でも、待った甲斐があったぐらい素晴らしかった。
おばあちゃん役のユン・ヨジョン繋がりでいうと、公開中の『ミナリ』よりも遥かに役も内容も良い。

今作は劇場で公開されていないのかな?と思ってちょっとだけ調べたところ、約5年前ぐらいの東京国際映画祭では上映されていたっぽい。
そして、やっと日本では今年にDVD化。

おばあちゃんと両親のいない孫娘のハートフルドラマ。
済州島の片田舎で暮らすユン・ヨジョン演じるケチュンおばあちゃんと幼い孫娘のヘジ。
父親は他界し、母親は失踪(この辺の記憶が少し曖昧😓)
二人で仲良く暮らしていたが、ある日の買い物の途中に、孫娘のヘジが突然いなくなってしまう…。

まさかのそれから12年の歳月が過ぎ…

やっと見つかった孫娘のヘジ。
最初は顔がわからないぐらい立派に高校生の年齢まで成長した孫娘。
おばあちゃんと孫娘の12年ぶりの二人きりでの生活が再び始まるというストーリー。

まず、このあらすじの12年間も時間が飛ぶというところからびっくりして、それ以外にもこのゆったりとした田舎の島の雰囲気にはそぐわないぐらいの怒涛の展開の連続で全く飽きずに観れる。

そして予想通りにケチュンおばあちゃん役のユン・ヨジョンがスゴい。
最初は孫目線で見ると、ちょっぴり過保護過ぎて鬱陶しいおばあちゃんに見える。
行方不明になる前の、まだ幼かった頃の孫娘と同じように接しているからだと。
観ているこっちも「ちょっと構い過ぎだなぁ…」と思っちゃうぐらい。

でも、過保護に見えるだけなのが段々とカッコよく見えたり、どこか悲哀に満ちているように見えたり…。
色んな顔が垣間見えてくる。

そんな、どんな時でも孫娘のことを想うケチュンおばあちゃんに徐々に感情移入されていく。

「つらい人生に疲れ果てても味方が一人いれば生きて行けるもんだ
私が味方になるから思い通りに生きな」

このセリフが印象的過ぎて覚えてしまってた。

他のキャストでいうと、孫娘役のキム・ゴウンももちろん良かったのだけど、印象に残ったのはおばあちゃんの甥っ子役のキム・ヒウォン。
ケチュンおばあちゃんを一番心配して文句を言われてもずっと支えている感じを含め、物語のバランスをよくとっている存在で欠かせない役どころだった。

あとは物語の中盤で出てくる美術の先生。
まさかのヤン・イクチュン。
いい加減そうに見えて、生徒の可能性を見抜く力のある優秀なおじさん先生を演じる。
あんな先生が自分の学生時代にいてくれたらなぁ…って思った。

全体のストーリー的にはちょっぴり涙が出そうになるくらい素晴らしい展開で、ホントに良かった。

P.S.
自分は涙腺というものが崩壊してしまった疑惑があるので、試しに他の方のレビューを読んでみると、けっこう泣いてる方が多くおられたのでシンプルに泣ける作品なんだと思います😢

でも、自分はまたしても泣けませんでした😢