チェン・カイコーの映画久しぶり！そして染谷将太にハマり気味なので見てみた。夢枕獏も好きです。
獏さんらしいロマンチックな筋書きでよかったなぁ。
歴史上の「こうだったらいいなぁ！」という夢が叶う小説って楽しいよね。白楽天の興奮が乗り移ってくるようだった。
「ついてこい！」と言って白楽天が空海を引っ張り出す。その時、町や建物の中を縦横無尽にグルグルと早足で歩き回る。
極楽の宴もそうだが、グルグルとスピードを上げながら回転する、麻薬的な画面を作り出していて良かった。
白楽天が詩作と美姫へ情熱を燃やすさまは清々しく、映画のみどころの一つだと思う。同様に空海の密教への思いも描かれるが、詩人ほど絵で見てドラマチックに感じなかったかな。
そもそも漫画的な原作なので、思いっきり漫画的な表現に振って成功していると思った。漱石の『草枕』のような美女と幻想が横溢していてよい。
阿倍仲麻呂を阿部寛がやってるシャレがベタすぎてビックリだった。
常にアルカイックスマイルをたたえた染谷の空海が、「陰陽師」の野村萬斎に次ぐハマりっぷりだった。「陰陽師」は呪文をとなえる萬斎の声音が素晴らしいが、中国語をしゃべっている染谷イイ。
