サッカーと映画観るのがすき

THE BATMAN-ザ・バットマンーのサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

3.5
いろいろとリブートされている"バットマン"ではありますが、ネタバレは興醒めですので、鑑賞まではネタバレレビューはもちろん、なるべく情報封印しておりました。
で…鑑賞後 Filmarksを含め、あちこちのレビューや動画をみてみますと、一部の天邪鬼をのぞくとすこぶる高評価なようですね。ということは…私はどうも一部の天邪鬼の一人かもしれません…

ちなみに私のバットマン歴ですが、ダークナイト3部作は大好きですが、それ以外の映像作品にはほとんど触れていません。原作コミックも読んだことないです。なお、バットマンはでてきませんが、”JOKER” はマイベストムービー上位に入るほど印象深い作品です。

本作の評価コメントとして「これぞバットマン」「原作に忠実」などがあるようですが…、申し訳ありませんが「知らんがな…」。
正体は大富豪のブルース・ウェイン。ガキの頃、父ちゃん母ちゃんが目の前で殺害されたことがトラウマであり怨恨のもととなり、正義とは悪とはなんぞ?な悩みをいだきつつもバットマンとしてゴッサムの自警ダークヒーローとして暗躍している…くらいの基礎知識はありますけども、ペンギンやらリドラーやらのキャラ設定とかふつうの日本人は知らんだろ。。。それ知ってると面白いんだよ〜みたいなこといわれてもねえ。
とはいえ、別にこれを知らんでも作品としては楽しめたので、そこはまぁよいです。

また、これも原作勢的にはツボらしいのですが「これぞバットマン」「原作に忠実」なバットマンは、パワー&ガジェットでぶっ放すアクションヒーローというよりも、なんと世界一の名探偵だってんだから驚いた。
なるほど、そうだったんだ。だから中途半端な暗号謎解き的なシークエンスがしつこくつづいてたんか。んでさぁ、リドラーももったいぶるわりに、暗号や謎自体は言葉遊びみたいなたわいも無いものだったりするよね。ついでに、名探偵バットマンさんですが、なんだか床にデカデカとチョークで文字書き殴ってなんか思いつくとかいう演出いるの?ガリレオの湯川先生かとおもたわ w

「本作は"JOKER”へのアンサーだ」ともいわれているようです。
たしかに澱んだ街ゴッサムの陰鬱とした空気感、映像表現はある意味”JOKER”をも上回るノワールな世界観。これはすごく惹かれました。とくに序盤シークエンスでのバットマン初登場シーンなんかはゾクゾクしました。
ですけども…本作では"JOKER"で感じた胸苦しさ、やるせなさ、憤り、からの…ある種の解放感のような感情の揺らぎを感じることはほとんどなく、ただただ陰気で内向的なバットマン=ブルースをずっと観せられたカンジ。
あくまで個人の感想ですが、主人公の苦悩、忍耐、希望と絶望…そういった心理や行動描写の面では”JOKER”には遠く及ばないし、比較するにも値しないと思いました。
まぁホアキン・フェニックスがヤバすぎたせいでもあるし、本作は共感性のあまりないインキャな変態ヒーローの姿を意図的に描いているのもわかるちゃぁわかるけど…

と、文句ばっかたれましたが、映像表現、音楽が醸し出す独自の世界観にはゾクゾクしたし、アクション、サウンドエフェクト、リアリティ重視のガジェット・メカデザインなんかはすごくセンスいいなぁと思った。
ロバート・パティンソン、ゾーイ・クラヴィッツのコンビは色気があってよかったし、コリン・ファレルの役作りなんかは元が誰だかぜんぜんわからんし、なんだかんだ次回作も期待しちゃうところはある。JOKERらしき次作登場キャラ(?)の前振りもあったしね。

ですけども…なにしろ鑑賞後に発した感想はこれに尽きるかなぁ。
「長すぎる…」
*次作はせいぜい150分くらいまででたのんますw