さうすぽー

THE BATMAN-ザ・バットマンーのさうすぽーのレビュー・感想・評価

4.1
自己満足点 80点

バットマン×マット・リーブス=ノワール・スリラーでした!


DCユニバースやジョーカーとはまた違う、新たなバットマン映画をリブート版猿の惑星を手掛けたマット・リーブスが監督し、ロバート・パティンソンがバットマンを務めた本作。

今までのバットマン映画は、ティム・バートン、クリストファー・ノーラン、ザック・スナイダーが監督しましたが、監督によって良くも悪くもそれぞれ個性がありますが、今回のバットマンは今までの作風とはまた違う、新しいバットマン映画でした。


雨の場面が多いからか、どこかセブンっぽさもありますし、今までと比べてもダークでサイコスリラー要素が強いです。
そこで観客の評価が分かれそうですが、個人的にはこの作風が好きでした。


個人的にはノーランのバットマン(ダークナイト・シリーズ)が一番好きですが、アクションに関してはノーランを超えてる気がします。
アクションの場面自体は少なかったものの、ノーランのバットマンと比べてもカメラワークに臨場感がありますし、手数や種類もかなり豊富でした。

また、中盤のカーチェイスは本当に圧巻です!
結構長めに行っていましたが、他のフィルム・ノワール作品のカーアクションと比べても臨場感と迫力が満点ですし、映像も綺麗でした!


そして、バットマンの信念やヒーロー像はかなりバットマンらしさがつまっています。
悪者に暴力という名の恐怖を与える存在ながらも、殺人は絶対に行わないというルールは徹底してました(ザック・スナイダーはこれを破ったので、それが一番許せなかった)。
どちらかと言うと、今作のバットマンは探偵シーンが多く、そこもまた魅力的でした。
アルフレッドの活躍はそんなに無くて残念だったものの、それでもバットマンらしさが多くて嬉しかったです。

バットマンを演じたロバート・パティンソンも影のある好青年ぽさが出ていて良かったし、リドラーを演じたポール・ダノも頭のイカれてる感じをわざとらしさ無く演じられていて素晴らしいです。


ストーリーにおいても、序盤の場面やストーリーの最終的な着地点も結構好きでした。

ただ、キャットウーマンのエピソードは個人的に次回作に回しても良かった気がしました。
今回のバットマンはゴッサムシティの闇を暴くために計画殺人を犯すリドラーとの戦いでありながら、何人もの黒幕を暴き出します。なので、それだけでも内容が濃密なのですが、それに加えてキャットウーマン自身の秘密も描かれるので少々詰め込み過ぎてる気がします。
最終的にブルース・ウェインの家族の秘密にも迫ってくるので、主人公自身にも関係するエピソードです。なので、キャットウーマンのエピソードは次に持ち越して、ブルース・ウェインの家族の回想等を挿入してほしかった気がします。

また、全体的に若干スローペースだったのでノーランのようにもう少しテンポ良くストーリーが展開されてもいい気がします。


全体的な感想としては、
ストーリーはダークナイトを超えていないものの、今までにありそうで無かった、サスペンスの入ったノワールスリラー色の強いバットマンとして凄く楽しめました。
176分の長尺で若干ダレたものの、それでも結構楽しめました!

続編があるみたいですが、これは是非観てみたいです!