ひろぽん

THE BATMAN-ザ・バットマンーのひろぽんのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

青年ブルース・ウェインがバットマンになっていこうとする葛藤や、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによって人間としての本性が炙り出されていく姿を描いたサスペンスアクションストーリー。


今作のバットマンはこれまでのバットマンと違いサスペンス色が強くキレのある推理やクールさのない泥臭いアクションシーンが見どころ。

バットマンとなり2年程で日が浅く、武器やバットモービルがハイテク過ぎない仕様に。

冒頭からラストまで薄暗いダークな雰囲気が漂い、その重く暗い空気感がとてつもない緊張感を生み出している犯罪多発都市ゴッサムシティ。

市長の殺害事件を機に連続殺人事件が発生し、事件を追う中でバットマンがマスクを被ることで本性が隠れるのではなく、人としての本性や本質が次第に浮かび上がっていくという構成に惹き込まれていく。

『復讐』がテーマとなっており、復讐のために生きるバットマンとリドラーのお互い孤児という境遇や復讐心が似ていることから途中までは鏡のような関係に見えた。
2人の唯一の違いは、親の残した財産と豪邸で裕福に過ごしてきたブルースと寒さやドラッグで死んでいく孤児院で生きてきたリドラーの貧富の差にある。
バットマンも1歩間違えばリドラーのようになっていたという構成が非常に面白い。

リドラーの事件は遊び心満載の謎を残し、嘘の本性を暴き、汚職まみれの政治家や警察、検事などを裁いていくサイコ感が恐ろしいが魅力的。
悪役の発言てのは核心をついてると思う。
個人的にはリドラーの行動もバットマンとは違う正義のように思える。ただ人を殺すというやり方はよろしくないが。

ラストでバットマンがリドラーと同類である事を自覚し、復讐にとらわれず心の闇を力に変え、真の正義を目指す方向へと変わっていく心理描写が良い。

ブルースもセリーナもリドラーもそれぞれ孤児として生きてきたから気持ちが通ずる部分があるように感じる。

サスペンス要素だけでなく、中盤の重低音響くバットモービルのカーチェイスも最高にカッコよくて痺れた。
警察署の屋上から飛び降りる時の一瞬の戸惑いや着地に失敗するシーンはリアルな人間味を感じた。

ロバート・パティンソンのセクシーさを感じる色気はカッコイイいいね!

ラストのリドラーと楽しそうに話している相手がジョーカーを匂わせており、次回作がありそうな終わり方で今後が楽しみ♪


“少なければ少ないほど価値のあるものは?”

“友達”
ひろぽん

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