カツマ

オリーブの樹は呼んでいるのカツマのレビュー・感想・評価

オリーブの樹は呼んでいる(2016年製作の映画)
3.7
試写会にて鑑賞。スペイン産でしかもタイトルがかなり地味めなので、内容も地味なのかと思ったらこれがまた意外にも先行き不透明なロードムービー(笑)
脚本はケンローチ作品(最近だと『わたしはダニエル・ブレイクの脚本も担当)でお馴染みポール・ラヴァーティ。

かつてそのオリーブの木は祖父と孫アルマの想い出の1ページだった。そのオリーブが家計の足しとして掘り起こされ2人から離されてしまうまで。それ以降祖父は言葉を発しなくなり、家族にも暗い影が落ちる。20歳になったアルマは売られていったオリーブを再び目にすれば祖父の言葉は帰ってくる、という信念のもと、オリーブを取り返す旅に出る!アルマを一途に想うラファと基本的にダメ人間だが憎めない叔父を連れ、トラックはドイツへ向けて走り出す。

アルマは破天荒キャラで、嘘は付くわ、素直じゃないわで周りの大人の手を焼かせるけれど、それも彼女の愛情の裏返しだったことが分かる感動的なラストシーンが珠玉です。生命は循環し、新しい世代へと繋いでいく。それは樹木も人間も変わらないのかもしれない。
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