アズマロルヴァケル

トッド・ソロンズの子犬物語のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

3.5
斜め上を行くコメディ映画

一匹のダックスフントがガンを患う少年家族、獣医助手、古臭い脚本家、老婆と転々としていく群像劇。

まず、この映画を見るにあたって衝撃の展開が待っているので、全編とも見てて驚きを隠せなくなる。それぞれ、
4組の人間たちとダックスフント(同一犬?)が描かれていくのだが、根は地味で何処か明るみを感じられるものの、妙に登場人物に闇を漂わせるような奇妙な話でした。

至って4組の人間たちとダックスフントにはきちんとした出会いと別れがあり、そのうち2組はどうやって出会ったのか不明瞭。突然後半から数珠つなぎにならずにいきなり飼い主とダックスフントがいるところから始まるのでかなり驚きます。

まあ一番驚くのは中盤の休憩シーン。
88分の映画なのにわざわざ休憩時間を設け、そこから物語の展開を崩すかのように軽食販売中と宣伝してくるから面白い。

ラストシーンではこれってどう終わるんだろうと思わせておいて皮肉にもダックスフントの死後の末路が描かれており、この描写が万人受けできるのか否か。老婆が夢を見て今までの人生や今までの自分と対峙するところでいい映画だったのにここで動物好きには見せてはいけない領域であのラストシーンをやるとは。ダックスフントがただたたヤバイ感じになっちまった映画でした。