(500)日のサマーのマーク・ウェブ監督最新作。
小学生ながら数学者として才能を開花させた少女メアリー。
彼女の母もまた著名な数学者だったが、自殺してしまい、主人公である叔父のフランクと片目の猫フレッドと暮らしている。
才能を如何なく発揮出来るよう周りの人間はメアリーに英才教育の環境を勧めるのだが、フランクは頑なに普通の生活を望む。
天才はその才能があればそれで良い、正にアメリカ的な教育理念だが、「本当にそれだけで良いの?」と疑問を投げかけ、更にメアリーの母親の悲劇を例に疑問を更に深める。
偉人を題材にした映画では、人間的に欠陥はあるが天才、のようなキャラクターがヒーローに描かれる事も少なくない。
それを同調圧力描写に成りかねない、スレスレのラインでしっかり疑問を投げ掛ける映画になっているのは個人的にマーク・ウェブ流石と感じたところ。