東朴幕院

散歩する侵略者の東朴幕院のレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.4
黒沢清っぽい間を持った作品だね。このテンポが序盤だと辛い時がある。今回がそうだった。というのも宇宙人が人間の概念を吸収しないと無垢な状態に近く反応も鈍いので必然的にだれた展開になってしまう。
一方で無関心な人間たちは周囲の変化に対して鈍感で危機感も持てない。そこが現実の世界と近い事象で怖いと思わせる事に成功していたかと。
そしてクライマックス.....。少し残念だし、あれが人間が持つ事ができるものと結論付けている所に少し傲慢さを感じた。
病院でのパニックシーンは概念を奪われた人間が病院に来たって事なのか、主人公夫婦をおびき出す芝居だったの? どうも前者の様だけど、という事は宇宙人はもっと居たという事で。何故、あの3人は顔を付き合わせて会わなければならなかったのか謎だった。
長谷川博己は、シニカルなジャーナリストを好演していた。長澤まさみは胸にばかりが気になってしまい.... 以降自主規制。
結局、○の概念を奪われた彼女が一番のダメージを受けたのは、そのものの一番重要だというメッセージ性があったと思い好感しつつも黒沢清らしくないなと。
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