slow

散歩する侵略者のslowのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
2.9
″すげえだろ?
人類ナメんなよ☆″
ーーーーーーーーーー
″演劇仕様″で撮った
おかしな侵略映画。

頭のネジがはずれた
大学生の若者(宇宙人)に
翻弄(侵略)される大人を
描いたような話。

宇宙人の特殊能力も面白いが
一番面白いのは、
何考えてるか分からない
若者に付き合う大人達を
時にはブラックに
時にはシュールに
時には哲学的に描いた点。

特に目についたのは
演劇でやる表現を
そのまんま映画に
移してること。

照明を暗くする演出で
″死″を表現したり、
一つのカメラアングルで
敵味方の動きを見せたり
火の玉みたいな宇宙船や
同じ場所をぐるぐる回って
爆撃をかわしたり、
横画面で敵襲を表現したり…

演劇でやれる表現を
映画でやるのは面白いけど
痒い所に手が届かない
つまらなさも同時にあり、
ずっと何かが足りてない…。
きっとこのお話は
映画として観るのは″不完全″で
演劇で観るのが″完成形″。

なんだか「劣化版」を
見たような損した気分。
お話としては面白いけど
映画としてはつまらなかった。

…ただ一つ気になった事。
人の概念を奪い、
死ぬ恐さを知らない宇宙人、
生に執着する男、
そして最期の彼の″異常な行動″…
つまり、そういう事なんだなぁ…。

浅いようで、とても深い…。
slow

slow