KHinoji

スレイブメンのKHinojiのレビュー・感想・評価

スレイブメン(2016年製作の映画)
3.8
井口昇なのでB級映画なのは当然として、なかなか面白かったです。

少し変わったヒーローもの。自分の人生なのに、自分自身を人生の主人公にすることが出来ない悩める弱気な若者たち、自らを救済するため妄想のヒーロー・スレイブメンに変身して人生を更新していくのだが・・・実は、、、というお話(?)
ヒーローの存在意義を考える映画は今までにも沢山あったが、マーベルやDC映画のように大風呂敷を広げたビジネス優先の感動作品ではなくて、本作はもっと現実的な落とし所に落ち着いた青春コメディ(ギャグかな?)映画だと思う。

井口映画としても賛否があるみたいですが、私は面白かったです。


ps. (I Love You) 追記
この映画においてヒーローとは、人の中にある最後の希望を意味すると思う。生きるための最後の本能と言うべきか。
ヒーローを失ってしまった人は、自殺して死んでしまったり自暴自棄になって自滅してしまったりするが、最後の最後でヒーローを持ち続けることができた人は、どのように悲惨な状況でもなんとか生き続けていくことが出来るのだろう。

これが意味することは、井口監督は今後も映画や映像を撮り続けていくという宣言に他ならないだろう。
要は映画バカだね。

私たちが(作品の完成度がどうであっても)井口監督の作品が気になってしまうのは、お互いに映画バカだからなんだろう。
この映画は、そういったことが比較的ストレートに現れている分かりやすい一作だと思う。

ところで、ヒロインが超美人ではない配役なのは、この映画の真の主人公が普通に生きる一般人でしかないからだよね。

(見逃してたのでレンタルDVDにて)
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