脚本 大根仁ときたら期待せずにはいられない。
しかし、あまりにも評判が悪いため、ハードルを物凄い下げていった。
良くはないが絶望的に悪くなかった。
ただ、「君の名は。」に便乗してヒットさせようとしてる魂胆が見え見えで、そんなこんなで君の名は。を見たいと思った人が来るととてつもないコレジャナイ感に襲われる。
まったく万人ウケする内容ではない。
まず、圧倒的に情報量不足。なので、見る人に様々な解釈を必要とされる。多分これは意図的であるが、一般ウケさせたいのならこんな作りはしない方がいいと思う。しかし、製作者の作家性が存分に出ているという点であからさまな商業的ではない所は評価したい。
ストーリーに関しては、かなりのストーリーの薄さ。「楽しい笑える泣ける」そんなシーンはあるけど、そんなものじゃなくて、芸術的な映画と割り切って見るのが良い。
タイムリープという設定がうまく活かせてなかった感じもある。
私はこの映画を見てレオスカラックス監督の「ホーリーモーターズ」を思い出した。
この世界は現実か？幻想か？そんな演出が散りばめられていて、それに対する答えがないため、うーんと考えるばかりで終わる。
声優は広瀬すず。悪くはないけど、キャラクターに合ってない。
菅田将暉。下手だし、中学生の声に聞こえない。
こんな映画にして、作家性を通して何かを伝えたいのか、それとも娯楽映画として「楽しさ」に昇華したいのか。作り手の意思が中途半端。そこが一番良くない。
結論、「君の名は。」のようにヒットさせたい企画とモノ好きのための映画を作りたい製作で意思が噛み合ってない。
