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アナベル 死霊人形の誕生のSQURのネタバレレビュー・内容・結末

アナベル 死霊人形の誕生(2017年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

『ライト/オフ』やその他のショートフィルムでは、観客の想像力を利用したJホラーに近い恐怖表現が見られていたが、今作ではその描写がなく、そういった意味では怖くなかった

しかし、別の意味で怖かった
それは、悪魔の無慈悲さ、残酷さによる恐怖だった

夫妻はビーのことを心から愛していた
ジャニスはリンダのことを大切に思っていたし
リンダも同じようにジャニスのことを大切に思っていた

ただ少し娘に会いたいと思ってしまったがために、
ただ少し不安で孤独を感じてしまったがために、
ただ少しジャニスに歩み寄れなかったがために、
そのほんの少しの弱みに付け込まれてしまった
少しでも何か違ったら起こらなかった悲劇だったかもしれない

事前にエンフィールド事件を見ていたので、最後はどうにかなるのだろうと思っていたが、そんなことは全くなかった
リンダは恐怖に打ち負け、最後までジェニスに真に歩み寄る勇気を出せず、
そしてジェニスはアナベルとして悲劇は続いていく
誰も救われない
こんな救いようのない話だとは思わず、見終わった時にはズンと気落ちしてしまった
鬱映画と言ってもいいんじゃないだろうか

あの時、リンダが恐怖振り払いジェニスに歩み寄れていたらラストは変わっていたのかもしれない
それとも悪魔とはそれほどに無慈悲に全ての希望を打ち消してしまう存在なのだろうか

ホラー映画を見て落ち込んで出てくるとは思わなかった
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