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いぬやしきの地球へのレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
3.9
巨大な力を得た2人の顛末を描く映画

家でも会社でも居場所のないさえない初老の男性「犬屋敷」が主人公、しかも末期がんで余命宣告まで受けている。
そしてもう1人、平凡な高校生「獅子神」も主人公、彼の家は母子家庭で決して裕福ではない。
この2人が事故に遭い、人間以外の知的生命体(宇宙人?)により機械の体に生まれ変わります(2人は死んでいる?)。
2人は「機械の体=巨大な力」を得て甦ったのでした。

ここで「スパイダーマン」と「マジンガーZ」を思い出しました。
スパイダーマンでは、「 大いなる力には大いなる責任が伴う(With great power comes great responsibility.)」、そんな力を主人公は得るのです。
そしてマジンガーZでも、「神にも悪魔にもなれる力」を主人公が受け継ぐのです。

本作も同じく「人間は善なのか、悪なのか」、このテーマがベースにあるのでしょうか。

映画は2人の主人公を軸にして、並行して進んでいきます。
1人はその力を「善」に、もう1人は「悪」に使います。
そして、いよいよ2人は激突(ヒーロー vs.ヒール)するのでした。

ここからは映画のコピーどおり、新宿上空250mで「空飛ぶ映像トリップ!」が始まります。
新宿を舞台とした空中戦が所狭しと展開されます。
ハリウッド映画のSFXを見慣れているせいか特別の驚きはありませんが、違和感(映像技術による)もなく映画に没頭できました。

犬屋敷が空を飛ぶのは、かなり不格好です。
ジジイが飛ぶので危なっかしい飛行です、ここは少しコメディタッチでした。

2人の主人公を対比することで、キャラクターや行動のコントラストが強調されていますが、どちらも暗い環境にいるなど根本は似た者同士のように感じられました。
やはり最後は「人間は善なのか、悪なのか」、このテーマに戻りました。


途中で警察 vs.獅子神の戦いがありますが、警察は躊躇なく発砲します。
獅子神の正体が分からない状況でかなり無茶をやります。
特に2度目は特殊部隊(SAT?)まで動員して、民間人への犠牲も顧みず制圧(銃撃)を行うのには驚いた。

最後は最近のお決まりです、続編を予感させるエンディングでした。


原作(マンガ)は未読で、GW初日に満員の映画館で鑑賞。
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