はまたに

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのはまたにのレビュー・感想・評価

4.0
もう、おお(大)コメディじゃ! おお茶番劇じゃあ!

と、私の内なる千鳥のノブさんが出てくるくらいには面白かったです。もうおおアホウしか出てこんのじゃあ!

まさかウォーキング・デッドのユージーンが世界の行く末を掌握せんと目論むクライムムービーだったとは(半分マジ)。思った以上に無茶苦茶で、下手なブラックコメディより笑えるその作りに拍子抜けしたような、「オレたちのトーニャ一味はこうでなくっちゃ!」と膝を打ったような。とにかく全員暴走気味で、襲撃されたナンシー・ケリガンなんてち〜っともフィーチャーされてないあたりが、ザ・自己中たちって感じでよかった。少なくとも『スーサイド・スクワッド』よりはヴィラン揃いでした(笑) って、こっちは実話だよ!

演者の話をすると、トーニャ役のマーゴット・ロビーに15歳というのは無理があったものの(23歳になると違和感はなかった)、『スーサイド〜』のときのような超絶美人にはとても見えない役作りには感心した。トーニャの育ちの悪さ、気性の荒さがうまく表現されていたと思う。逆にジェフ役のセバスチャン・スタンには「顔立ちの品のよさがどうもな〜」と感じちゃったかな。目が綺麗すぎる。ただ、あとのキャスティングは完璧で、クソオカンのアリソン・ジャネイ、ニートデブのポール・ウォルター・ハウザー、トーニャの幼少期を演じた『ギフテッド』のマッケナ・グレイスと、あとのキャスティングは完璧だった(大事なことなので2回言いました)。

特にオカンはアカデミー助演女優賞も当然のヤサグレっぷりで、冒頭からCワードかましたりして(FじゃないぜCだぜ)終始ぶっ飛んでいる。もう普通にスーサイド・スクワッドの黒幕で登場してほしいレベル。育てられたトーニャ本人はたまったもんじゃないだろうけど、野次馬的には最高です。

個人的には「ケリガンとの関係性を通してトーニャの虚実と心象風景に焦点を当てるシリアスな作品」という鑑賞前の予想がアホほど外れたものの、そのちゃぶ台の返し方がトリプルアクセル級の衝撃度だったので、諸手を挙げて支持したいと思います。

ユーはおおトーニャじゃあ! クセが強ええ! と私の内なる千鳥のノブさんが生き生きとする、そんなおおおバカ作でした😆
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