たつかわ

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのたつかわのレビュー・感想・評価

4.3
環境と出会い

最も多くの放送禁止用語が発声された映画としてギネスに認定された作品は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」だ。その作品でディカプリオの奥さん役を演じ、ヌードになったり、ヒールでディカプリオの顔に足蹴りを入れたあの人が本作の主人公を演じている。Fワードが多く発せられて、カメラに向かって当時を振り返っているシーンがたびたび登場したりと「ウルフ~」と共通する点があるが、マリファナやエロは登場しません。

トリプルアクセルをアメリカで初めて成功させた女子選手として有名だったトーニャ・ハーディングが事件を起こしたことはそれなりの年齢の方であれば、知っていることだが、本作では生い立ち、事件の真相を中心に繰り広げられるコメディです。

生い立ちは、滝藤賢一が女装したような風貌を持つ母親が、主人公を「しつけ」という暴力で歪んだ性格が形成されてしまい、当時の夫に会うことでより一層歪んでいった。一方、事件の真相は、馬鹿を超えて、もはやサイコパスといって言い人間が登場するのだが、劇中ではノンフィクションの中で話を盛り上げるための嘘かと思ったが、実在する人物と知った時にはかなり驚いた。本当に人の出会いというのは大切だと心底思った。

スケートシーンはカメラも選手と一緒に滑走するという大胆なアングルで、普段の中継では見ることのできない迫力がある。また主人公のパワフルな私生活、氷上でスムーズに滑っているような演技で全く飽きることはない。なお主人公の子供時代を「ギフデット」で有名になったマッケンナグレイスが演じていて、性格が歪んでいく過程を演じている。「ギフデット」も環境に関しての話だが、流石に意図して選ばれてはいないだろう。

おススメです。
たつかわ

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