Screen7

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのScreen7のレビュー・感想・評価

4.1
ケリガン襲撃事件について何も知らないし正直映画館で観るか迷ってたけど、観て良かったと思える見応えのある作品でした。スキャンダラスで大問題な話だけど、純粋に映画としては面白かった。
怒り、悲しみ、憎しみなど相当なストレスあっただろうけど、全てをスケートに捧げたトーニャの人生は凄い。彼女を演じ切ったマーゴット・ロビーの演技も本当に素晴らしかった!
猛練習したというスケートも、表情も動きも観客の心に刺さる迫真の演技でした。

何回言うんだってくらい暴言飛びまくりだったけど、クソ食らえ!って言いたくなるのも分かるくらいに最低な人間ばかり。"4歩先を行く"男も最初は笑えたけどどうしようも無い自惚れ屋で段々イライラしてきましたよ…笑

セバスチャン・スタンはインフィニティ・ウォーで安定に格好良いバッキーを演じていましたが、今作では最低な元夫役。すぐ暴力を振るうしトーニャへの執着心も強くて恐ろしい… 最初だけ優しいとか典型的なDV男じゃないですか…

殴られても「自分が悪い」と思ってしまうトーニャでしたが、その原因の大部分はトーニャの家庭環境。トーニャの母はあんな可愛い4歳のときから躾だと言って手を上げて、何処だろうと構わず煙草を吸って暴言を吐いて。こりゃあ"怪物"とも言いたくなるわ…
彼女を演じたアリソン・ジャネイの演技凄かったな、私が今まで観た映画でこういう人物いた覚えなかったので、余計新鮮に感じました。
競技直前にトーニャを罵りまくってた男にお金渡してたのは笑いました、あとは小鳥との絡み好き。笑

トーニャがスケート協会に訴える姿は特に印象的。今は映画界も戦う強い女性が多くてだいぶ性別のイメージに捉われなくなった気がするけど、昔は女性らしくて芸術性のある演技が求められていたのですね。やはり邪道は受け入れられづらいのか。
売れるように話題になるようにと事実を変えるマスコミですが、この映画自体も(当たり前だけど)映画のためにいたるところを脚色されているんだと思うと、大真面目なインタビューを基にして「これが事実よ」と言われても、何処までが真実で何が嘘なのか…と思ってしまう、というのが素直な感想です。

音楽もとっても最高でした〜〜!
競技中以外の曲も全て選曲にこだわりを感じた。
Screen7

Screen7