くろねこヤマ子

犬ヶ島のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.8
アタリ少年12歳。
愛犬を探して
叔父である市長の作った
犬の廃棄所、犬ケ島へ。
ディストピアで
繰り広げられる冒険物語。

水平と垂直の動き。
時に視点のブレない
ズームアップ。奥行き。

後半に進むにつれ
垂直水平運動の加速が増し、
ストンと終わる。
ドンドコドコドコ…
ドンドコドコドコ…。

矛盾しあうものが画面の中に共存し、
奇想天外な物が息つく暇もなく現れる。
協奏的な不協和音を奏でる。

目まぐるしくシーンが切り替わり、
畳み掛けるように進むその様に、
監督の熱量を感じたというか。

たくさんの矢印が交差し、
ある点をきっかけに矢印が束ねられ
収束に向かう感じに
ある種の安堵を感じたというか。

日本のイメージを繋ぎ合わせて
ザクザク縫ったような、
独特な画面構成。
そこから伝わる空気感は
興味深い感覚だなって思いました。