こたつむり

サラリーマン・バトル・ロワイアルのこたつむりのレビュー・感想・評価

4.0
♪ 吹き飛んでゆく風景 転がるように前へ
  苦し紛れでも標的はもう見逃さない

「今からちょっと殺し合いをしてもらいます」
そんなアナウンスが社内に流れ、窓や玄関は閉鎖された。はたして生き残るのは誰だ…ッ?

って、どこかで見たことがあるような展開。
日本人ならば“某作品”を連想すると思います。
それは映画会社の人も同じ。見事なまでに邦題に反映されていました。

でもね。これが面白いのです。
語弊を恐れずに言うならば、本家本元よりも面白いかもしれません。何しろ、登場人物は学生ではなく社会人。“人を殺す”ことに躊躇が無くても違和感がないのです。

本作の基本はシンプル。
ヤるか、ヤられるか。ただそれだけ。
何を考えて何を抱いているのか…なんて“殺し合い”とは無関係ですからね。わざわざ背景を深くまで描く必要は無いのです。さすがは狩猟民族の末裔。本質だけを追求した仕上がりなのです。

所謂、本作は分厚いステーキなのでしょう。
肉が欲しい年頃ならば、ヨダレじゅるじゅる間違いなし。どこを切り取っても肉肉肉肉2×9=18ですからね。ワインでグイっと流し込めば満足度100%。娯楽だけで腹を満たす快感は禁忌ゆえに愉悦なのです。

ちなみに脚本はジェームズ・ガン。
確かに“痛快さ”だけを強調したような展開は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と同じでした。そんな脚本を活かした監督さんも見事な限り。うむ。誉めて遣わすぞ(←何様)。

まあ、そんなわけで。
15歳未満お断り、良識派絶対厳禁の物語。
理由を求める思考パターンも慎んだほうが良いと思います。何しろ、大切なのはヤるか、ヤられるか。それだけなのですから。
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