gyaoで視聴。韓国映画。
“死ぬほど上手”と噂の高齢者向けの売春婦ソヨン。得意客も見かけなくなったある日、トラブルに巻き込まれた混血の少年を助け、しょうがなく家に連れて帰る。彼女の住む家は様々な事情を抱えた人々が肩を寄せ合うシェアハウス。ソヨンは生きるのが辛いと告白する客の哀願を聞き、同情を寄せる。ソヨンはいつしか“上手に死なせてあげる”方法を思いつく…。
「バッカスおばさん」とは、駅前で男たちに声をかけ、栄養ドリンク・バッカスを売り売春するという立ちんぼのことらしい。韓国の貧困老売婦を描いた映画。
日々の仕事は楽ではなく、客の対応も大変だし、ライバルたちとの競争もある。人からはさげすまれ、何の保証もなく、収入はぎりぎり。
そんな彼女が混血の少年と出会った（拾った、に近い）ことで人生が変わる…わけでもなく、以前と同じ仕事と生活をこなしていく。
映画に描かれるのは、高齢者には辛い現実である。事態は決して好転しない。だが、そんななかにもある種の安らぎやきらめきは間違いなく存在する…。
そんな「生きるとはどういうことか」をある意味極限までリアルに描いた良作だと思った。
