RAY

あなた、そこにいてくれますかのRAYのレビュー・感想・評価

3.2
“あなた”


タイミングの問題だったんだと思います。
決して、ストーリーが悪い訳ではないし、演出に文句がある訳でもない。
むしろ、心があたたかくなる作品だとも思います。
だけど、「合わない」と思ってしまった。
レビューを書きながら、あらためてこの作品を想うのだけれど、やはり僕自身がとても捻くれていることが原因なんだと言う答えに行き着いてしまいます。


この作品は所謂タイムリープ作品なのですが、タイムリープ作品の難しいところのひとつは、その内容を「都合が良い」と捉えてしまうのかどうかなのだと思っています。
そして、「都合が良い」と捉えてしまう一番の要因はタイミングなのだと思うのです。
今回のタイミングは自分自身の気持ちもそうですし、コロナだったり三浦春馬さんだったり、少し心が素直になれない様な、そんなタイミングだったのだと思います。
ですから、この作品が面白くないだとかそんなことは全く無く、これからご覧になる方も、それこそ気分によって受け止め方が変わるのではないかと思います。


ただ、そんな心持ちであっても素直に良いなぁと思えた点があります。
それは彼等の行動の根幹が誰かの為であったことです。
もちろん、その上で都合が良いと今回は感じてしまったのですが、どれだけ都合が良くても、愛と言うのはそういうものだとそこだけは受け入れることが出来たのです。

あなたに喜んでもらいたいと思うことも、生きていて欲しいと思うことも、あなたの為なんだけど、本当は全部自分の為。
笑顔が見たい、側にいたいって。それが人を愛していると言うことだと思うのです。
その根幹についてはとても良いと思いました。
繰り返しですが、たまたまストーリーを受け入れるにはタイミングが合わなかっただけのことです。


ところで、今作のヒロインであるチェ・ソジンさんの演技ははじめて観たのですが、笑顔がとても魅力的な女優さんだと思いました。
主演のピョン・ヨハンさんの笑顔も素敵だったので、この二人が並ぶととてもキラキラしていました。
愛し合う二人と言うのは、もしかしたら、他人から見るととても輝いて見えるのかもしれないし、当の二人は世界に二人だけなのかもしれない。
ストーリーの根幹について先に書いたのですが、この二人の見え方(見せ方)も良かったのだと思っています。


純粋に誰かの為にと思う心も綺麗だけど、誰かがいることで自分になれる。誰かと重なることで一人の人間になったりもするのだと思う。


またいつか観てみようと思います。
多分、その時はまた違ったことを思うはず。


観て良かった。
RAY

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