てっぺい

エクスペンダブルズ ニューブラッドのてっぺいのレビュー・感想・評価

3.5
【たぎる映画】
多種多様な武器が飛び交い、陸海空の至る所で爆発するド派手アクションに血がたぎる。御歳77歳のスタローン御大を、“新しい血”をたぎらせる事で巧みにカバーした脚本の妙も光る。

◆トリビア
○シルベスタ・スタローンは、本作がバーニー・ロスとしての最後の出演作になり、彼が去った後のシリーズをステイサムが引き継ぐことに期待を寄せていると明かした。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エクスペンダブルズ_ニューブラッド)
本作の監督は、次作の第5弾がスタローン不在で製作されることを示唆している。(https://www.excite.co.jp/news/article/Narinari_20230927_82554/)
○ジェイソン・ステイサムは「この業界で最も充実した時間は、スライ(スタローン)と仕事ができたときです。本当に多くのことを学ばせてもらった。スライを心から敬愛している」と語るほどスタローンのことを慕っている。(https://eiga.com/news/20240102/2/)
○タイのアクションスター、トニー・ジャー演じるデーシャとジェイソン・ステイサムが並んで戦うシーンが本作の最高の見せ場だと監督は語る。(https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=14965&p=4)
○スタローンは本シリーズ第一作の監督も務めたほか彼自身の監督作多数。本作監督のスコット・ウォーもスタントマン出身であり、現場で気軽に相談できる完璧な信頼関係で、2人のコラボレーションで現場がうまく進んだと話す。(https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=14965&p=3)
○シリーズ2作に出演したブルース・ウィリスは、2022年に失語症のため俳優業の引退を発表。引退にあたりシルヴェスター・スタローンはこれからのサポートを申し出た。また2023年には前頭側頭型の認知症と診断されたと発表された。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブルース・ウィリス)
○過去の全作品にヘイル・シーザー役で出演していたテリー・クルーズは、スタローンの代理人から性的暴行を受けたと主張し本作への出演を拒否した。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エクスペンダブルズ_ニューブラッド)
○ 船の上でバイクがジャンプするシーンはスタントマンが実際に行った実写。他にも本作に登場するオートバイや車のアクションはほぼ実写だと監督は誇る。(https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=14965&p=4)
○ 本作の原題は『Expend4bles』。『4(four)』の頭文字のfには、最後=finalの意味が込められており、つまり今回がシリーズ最終章となると監督が明かした。(https://safarilounge.jp/online/culture/detail.php?id=14965&p=4)
○ エクスペンダブルズという言葉は、シルヴェスター・スタローンが「ランボー2」で言ったセリフ「俺はExpendable(消耗品)だぜ」に因んでいる。(https://filmpicks.net/the-expendables-series/)
○バーニー・ロスという名前は、米国海兵隊に加わり、ガダルカナル島での行動でシルバースターとパープルハートを授与された世界ウェルター級ボクシングチャンピオンからつけられた。(https://filmpicks.net/the-expendables-series/)
○本作の悪役候補としてジャック・ニコルソン、ピアース・ブロスナンも参加するという噂もあった。(https://bunshun.jp/articles/-/67905)
○第二作でヴィランを演じたジャン=クロード・ヴァン・ダムが、シリーズへの復帰に興味を示し、ヴィランの弟であるクロード・ヴィランを演じるというアイデアを売り込んだ。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エクスペンダブルズ_ニューブラッド)

◆概要
シリーズ第4弾。
【監督】
「ネイビーシールズ」スコット・ ウォー
【出演】
「ランボー」シルベスタ・スタローン
「ワイルド・スピード」シリーズ ジェイソン・ステイサム
「アクアマン」ドルフ・ラングレン
ランディ・クートゥア
カーティス・“50セント”・ジャクソン
「トランスフォマー」シリーズ ミーガン・フォックス
トニー・ジャー
イコ・ウワイス
「オーシャンズ」シリーズ アンディ・ガルシア
【公開】2024年1月5日
【上映時間】103分

◆ストーリー
自らを「消耗品」と名乗り、CIAから依頼される数々の難関ミッションを乗り越えてきた最強の傭兵軍団「エクスペンダブルズ」を率いるバーニー・ロスは、CIAからの新たな依頼にこたえるため、かつての相棒であるリー・クリスマスを訪ねる。バーニーと再び組むことを決意したリーがエクスペンダブルズのアジトに足を運ぶと、そこにはかつての仲間たちに加え、新たなメンバーも顔をそろえていた。新戦力を迎えたエクスペンダブルズが挑む今回のミッションは、テロリストが所有する核兵器を奪還すること。もし失敗すれば第3次世界大戦が勃発しかねないという危険なものだった。


◆以下ネタバレ


◆たぎる
まずは何といってもこれ。冒頭リーのメリケンサック乱れパンチから始まり(本当に喰らったらめちゃくちゃ痛そう)、走行車から走行車へ移り敵を蹴散らし、飛行機が墜落するど迫力シーンで前半のピリオド。後半はリーとデーシャの共闘から、マシンガンバイクアクション(リーと敵の一騎打ちジャンプが特に見もの)、船まで操縦できてしまうリーに驚く。シリーズ定番の肉弾戦一騎打ちがまさかのステイサムvsアンディガルシアかと思いきや、バーニーヘリからの爆撃で船がタイタニック。核爆弾の爆発シーンはシリーズで1番と言えるレベルの最高潮の迫力だった。過去作同様、まさに血がたぎる感覚で、全体的に接近戦、肉弾戦多め(カンフーも多め)で見せ場感もあり。鎖で戦うラッシュという謎のバリエーションもあれば笑、ナイフで次々と敵を切り裂くリーの爽快感もあった。まさに陸海空、武器も素手からナイフにマシンガン、最終的には核爆弾までと、バリエーションの多さは過去作や他作と比較しても、突出していたかもしれない。公式サイトにもある通り、“脳ストップ”アクションとして、年明けに頭を使わず直感で楽しめる映画だった。

◆ニューブラッド
本作の紛れもない主役だったリー・クリスマス。うがった見方をすれば、御歳77歳のスタローン爺には肉体的限界があるわけで、一度死なせてリーを主役に据えるという脚本は最良の解決策か。さらにその目的を25年前の事件と結びつけ、バーニー復活の理由としたのは苦肉の策ながらも見事な脚本劇と言いたい。何気にその点も、シリーズで最も脚本力が光っていたと言えるし、結果、脂の乗ったステイサムのアクションで見栄えの続く構成になっていたと思う。本作が興行的に成功すれば、ニューブラッド達の新しいエクスペンダブルズが文字通り汚れ仕事を全うし、会長に退くスタローンが背後で無理なく指示をする後続の図式が見えるが、果たして…?

◆ラスト
バーニーとリーの笑顔のツーショットでエンドロールに入る本作のラスト。本作も本シリーズも、この2人の絆が根底の軸にあるわけで、第4作目である本作の4(four)のfはfinalのfだと話す監督の言う通り(少しこじつけにも思えるが笑)、最終章のラストに相応しい画作りだったと思う。ただし終わってみれば、前作の若手ンダブルスはなかった事になってしまっているし、何より前作までシュワちゃんにブルース・ウィリス(はしょうがないが)、メルギブソンにハリソンフォードまで登場したおジジ俳優特盛りという本作の強みが皆無なのは虚しい(アンディガルシアはおいといて)。前項の通りニューブラッドの台頭を今後期待する手前、バーニーとリーのあのツーショットが、本当の意味でのシリーズのラストとならない事を切に切に願う。

◆関連作品(全てNetflixで配信中)
○「エクスペンダブルズ」('10)
シリーズ第一作。シリーズで唯一スタローンが監督を務めた。アーノルド・シュワルツェネッガー、ブルース・ウィリスがカメオ出演する他、ミッキー・ロークもシリーズで唯一出演。
○「エクスペンダブルズ2」('12)
シリーズ第二作。アーノルド・シュワルツェネッガーとブルース・ウィリスが本格参戦。
○「スライ:スタローンの物語」
シルベスタ・スタローンを追ったNetflixドキュメンタリー。

◆評価(2024年1月5日現在)
Filmarks:★×3.6
Yahoo!検索:★×3.7
映画.com:★×4.0

引用元
https://eiga.com/movie/96732/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エクスペンダブルズ_ニューブラッド
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