狭須があこ

三度目の殺人の狭須があこのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.2
「何言ってるかよくわかんない」のは、「私には理解できないくらい深い」から。みたいなのは往々にしてあるんですが、この映画に関しては普通に何言ってるかよくわかんなかったです

イヤまぁ…賞とかとってるし、私が理解できなかったってだけかもしれないんですが、少なくとも私には音楽をいいカンジに流して、深そうなフリをしてる映画にしか思えませんでした。

申し訳ないけどまずそもそも私、福山雅治が嫌いなんですわ。
嫌いな俳優がイヤな奴の役をしてるっていう、なにひとつ楽しくない序盤を過ごしてしまったのがひとつ。

それから広瀬すずがまーたいつものカンジだったのがふたつ。
そろそろほかの演技ないんかい!!
まぁ可愛いし、別に全然イヤではないし、上手い子だと思うけど、もしかしてボソボソ喋る系以外の演技をさせるとこの子はヘタクソなのか?

そして、演技派のはずの役所広司が、ただブレブレの話をし続ける間延びヘタクソ役者に見えてしまったのがみっつ目ですね。
ストーリー的には彼はブレブレの話をしていて正しいんですが、あまりにストーリーのためにやってる感が強くて、「役所広司パワーを使ってコレか!?」ってことには逆に恐怖を感じました

この映画のテーマであろう「この世に生まれてこなければよかった人間なんていないのだ」に対する「人は本人の意思と関係なく死んだり生きたりしてるんじゃないかな?」みたいなセリフがまず意味不明だったので、もうなんか全体的に意味がわからなすぎでした
命の価値と、生き死にの無作為性になんか因果関係あるか?私、大事なところを聞き逃してるんですかね。

まずそもそも、テーマと内容があんまり関係ない気がするんだけど。
内容は、「真実と目的とどちらが大事なのか?」って話だと思うんですけど、そこに命の価値のテーマを絡めるのがザツな気がしました
最後の方の展開はまぁ面白かったけどさー、それまでが美しい音楽とともにグダグダしてたカンジだったので、この映画のおかげで、逆転裁判のエンタメとしての完成度の高さを再認識しましたね。

あと動物オタクとしては「死んだニモはトイレに捨てずにお墓作ってあげなきゃダメだぞ」「カナリアが5羽一度に病気にかかって死ぬわけないでしょ」「寂しくて死なないわよウサギじゃないんだから」みたいな、細かい部分に「登場人物の動物への興味のなさ」を感じてキライでした。
まぁ、元々あんまり楽しく見てないから目に付いた部分なだけかもしれないけどさぁ~

是枝監督の「海街ダイアリー」はセリフもよかったし、人物同士の関係性とか、絶妙だったと思ったんですけどね。この映画ではわりと真反対の感想になりました
うーん…アレですかね。暗い映画だからかな。私が、前向きな話が好きだからかなぁ。救われないストーリーって、モヤつくよね…
狭須があこ

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