MISSATTO

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのMISSATTOのレビュー・感想・評価

3.6
ジェイク・ジレンホールを目的に映画を見に行って裏切られる日は来るのだろうか…と思い始めました。

ただの感動ものでもなく、わかりやすい成長物語でもなく、変な話、停滞と後退すらも見せてくれる。
何よりすごいのは、ジェイク演じるジェフ・ボーマンだけでなく、周りの人間も驚くほど「どこにでもいる人間」たちだ。
「どこにでもいる人たちに降りかかった大きな出来事の後日談」という内容。

ヒステリックだったり無神経な態度とも思える言動を当たり前のように悪意なく繰り返す母親や親戚たち。それに拒否反応を示しながらも両脚を失ったことに対して戸惑ったり苛立ったりすることにすらだんだん慣れてきて放置し自棄になるジェフ。見てる途中、むしろ同情と共感はジェフの元彼女のエリンに重なっていく。
だが、ふと気づいたのは、エリンほど目立つことはないが、実はずっとそばにいる、悪友とも言える友人2人の存在。事故直後はどう接して良いかわからないという態度も見せるのに、結局そばにいる。
公園のブランコのシーンで突然そのことに気づき、胸が締め付けられた。

この映画は人間は変わらないことと、人間は変われることを同時に描いている。
見終わってから、じわりじわりと日に日に「あ〜良い映画だったな〜」と思う映画でした。

それにしてもジェイク…役の人間性や幼さで顔まで変わる。表情ではなく「顔」が変わる。映画の中でも変わっていく。
呆然。脱帽。
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