emily

ジュリエットの仲間のemilyのレビュー・感想・評価

ジュリエットの仲間(2016年製作の映画)
3.8
 親友のマグロヌとジュリエット。高校を卒業して別々の道を歩み始めたが、ジュリエットの友人たちを田舎の家に招待し、マグロヌに紹介する。しかし些細なヤキモチが仲間たちを困惑していく。

 ジュリエットとマグロヌの対照的な外見と性格。マグロヌは知らない人たちの中で、なんとか感じよく打ち解けようとするが、その居心地の悪さがスパイス的に揺れる黄色の扇子や、窓を挟んだ閉鎖的なカメラで表現されている。女友達の関係はそこに介入する男がいれば、簡単に壊れる。女の嫉妬やヤキモチがマグロヌの行動へとつながり、仲良くしたいと願えば願うほど、その隙間が広がっていく刹那を、ひりひりとした感情と裏腹な行動を交えてパーティとイケメンだらけの仲間の中に交差させる。
 
 ジュリエットの仲間は所詮ジュリエットのグループの枠からは出ない。マグロヌのグループには誰も入団しない。それを分かりながら連れてきたジュリエットも善人のように見えて、悪意は十分に感じられる。それでも時は流れ、同じように美しい朝を迎え、別荘の美しい庭、小鳥のさえずりを描写する。取るに足らない休暇の過ごし方であり、それはジュリエットの仕返しだったのかもしれない。仲間を引き連れて、それぞれの日常に戻っていく。それでも二人の親友関係は続いて行くだろうし、何やかんや言っても最終的には似た者同士だという皮肉が残る。それに気が付いていないのは本人たちだけだろう・・
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