雨丘もびり

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

2.5
惹かれる反面、わかるよーな、わかんないよーな(-"-;)。
監督さんググッたら、あの長話男そっくりの顔でした。やっぱりね。

この監督さ、
第九だの円環世界だの残留思念だのを、オオゲサに並べ立てて、
ご自身のみっともないクヨクヨを隠そぅとしてない?
「ぼくはキミと居て良いの?保証が無くて不安だよぉ」みたいな甘え。
自信なくて自己開示にテレすぎて、衒学のひけらかし。
そーゆーの逆にハズい気がするのよね。
私の大嫌いな村上春樹臭。。。

.....でもね。
幽霊って、そのみじめな"しうねん"の産物じゃん。
だから、文学ぶって浅さ隠しをしている弱さが、幽霊映画として巧く機能してしまってる。

幽霊になったけど、彼女に憑きまとう勇気はないから、地縛しちゃう情けなさとか、
この世に執着する意味をだんだん見失ってしまう愚かさとか、
私の幽霊観・妖怪観に、しみじみ沁みるのよ。。。
(苛烈で甚だしい激情だと"鬼"になっちゃう)

幽霊くんが、やたらと他人の子供を目で追う仕草、引っ掛かる。
二巡目の世界で自分が死ぬ事故を阻止しないのは「二人で子供産んでいつまでも幸せに暮らしたかった」が彼の人生の目的では無いから。
彼が彼女と暮らしながら強く意識しているのは、希望じゃなくて不安。
だから不安が残留してしまってる。
古い家にずっと居たがる。栄転したくない本音。


うー悩ましいッ。


5分くらいのショートフィルムかPVで済む内容じゃんとも思う。
じれったくてツラい長回しシーンが、物言えぬ幽霊くんの苦しみの様でもある。
A24作品らしいっちゃらしいわ。

深いんだか浅いんだかハッキリしないのじゃ。
なので、陰陽半々の☆☆★★2.5。
オフトーンな映画を観て眠くなりたかったのに悩ましすぎて目ギンギンなのどうしてくれる(怨)。
ちぇっ、面白かったぜぃ。