雨の降る日曜の夜、ミニシアターのレイトショーで見るのにピッタリな映画だった。
幽霊になってしまった男が、彼女と暮らした家を見守るお話。しかし彼女は早々に新しい男を見つけて引っ越してしまい…。
怖いような怖くないような映画。お化けが住民を驚かせるようなところもあるんだけど、シーツを被っただけのゴーストの見た目がなんだか可愛い。
彼女に執着する話かと思いきや、意外にも彼女は早めに退場。家に来た新しい家族の話や、家が無くなってビルが建てられる話、かつてこの家を建てた人の話など、家の歴史を追う内容だった。
全体的にセリフ少なめで、静かな映画なんだけど、それが心地よい雰囲気でした。特に亡くなった男の作った音楽がとても良くて、それを彼女が聴くシーンは美しい画面も相まって最高だった。
画面のフレームが角が丸い正方形に近い形だったり、あえて人物をドアの向こうの部屋から映したり、ゴーストの「視線」を意識したカメラが面白かった。1つ1つの何気ないシーンを長ーく映すのも、ゴーストが過ごす長い長い時間の流れを感じられた。
最後のメモにはなんて書いてあったんだろうな。