黒川

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーの黒川のネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

マンガ的ステレオタイプのシーツを被ったお化けって、小さくて浮いてるから可愛いのであって、2mくらいありそうな上に足ありそうでめっちゃどっしりしてると怖いっていうことがよくわかった。夜中にアレいたら怖いわ。

CとMは同棲カップルだ。いつもの日常がある日、Cの突然の死で終わりを告げる。物言わぬ亡霊となったCと、彼のことが見えない周囲を観客が傍観する形で物語は進む。

時間の経過を描くのが巧いなと思っていたらそういう映画だった。夜中に物音を聞き不安になるカップル。彼らの何気ない日常生活。突然の別れ。無音の時間。自暴自棄になりものも食べられなかったのかストレスによる過食なのか、差し入れのパイにひたすらがっつく姿。さり気なく物事の有限性を演出し、そして光陰矢の如しということも一緒に描写している。彼らの時間は終わりを告げ、Mは家を出ていく。彼女は引っ越しの多かった幼少期にしていたように、またそこに来られたときのために手紙を壁の隙間に残していく。自分がそこにいた証なのだ。

人間がいた証を残すのが芸術なのだろうか。その証が希望になろうとした時にまた文明が崩れ、堂々巡りする。その間に地球の寿命が来て、でも宇宙は無限に広がる。そのような話をしていたハゲがまさかの条線になってたよね。

中島みゆきよろしく、時代は回るってあらすじ書いてるだけになってきた。ネタバレするより観て色々感じたほうがいい作品です。観てる間は退屈だと思っていたのに、なんかじわっと後でくる。
黒川

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