ひろゆき

ワイルドライフのひろゆきのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.7
銀幕短評(#406)

「ワイルドライフ」
2018年、アメリカ。1時間45分。

総合評価 73点。

これほど具象的な、登場人物の心理描写が精細な映画は、なかなかないでしょう。“家族” を安定して支える因子には、愛情、血のつながりや、同居、思いやり、ゆずり合いといったものがありますが、ちょっとした行き違いから、堅固に思えた そういった支柱の一本一本が徐々にぐらつきだす。家族の危機をむかえる。そしてその支柱のズレは簡単には修復できない。こういう試練は、世にそれほどめずらしいことではないでしょう。このドラマの見どころは、それに立ち向かうのが 14才の純真な少年であることです。

かれは夫婦の独り子であり 相談相手はいない。すべての試練に ひとりで大きくさらされます。直接の当事者ではないけれど、父母のあいだにはさまれて、かれらの言動に大きく傷つきながらも それは胸の奥にしまい、危機の修復に全力をつくす。じぶんの受けるダメージは二の次にして、ちちははのこころに寄り添う。反射的に寄り添う。こういう愛情を発露することは、なかなかできません。ドラマはどうなるのでしょうか。

音楽の寄り添いも とてもすてきな映画ですね。
ひろゆき

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