ごてふ

オン・ザ・ミルキー・ロードのごてふのレビュー・感想・評価

4.2
日比谷シャンテ・シネにて。クストリッツァ9年振りの新作に場所柄やや勤め人風の紳士多けれど客席は5割も埋まらない。都下単館、全国でも十指に満たない上映館は淋しい興行規模。まぁ娯楽作ではありませぬが・・・。お馴染みのアイテム・設定(動物・紛争・狂騒)とエネルギッシュな登場人物たち。≪アンダーグラウンド≫や≪ライフ・イズ・ミラクル≫の作風が踏襲されており、それは監督の真骨頂でありましょう。世界の何処かで常に繰り返される祝祭や爭い。禍福は糾える縄の如し。これは稀有な映像作家の想像力の産物であり、悪夢の映像化でもあり、悲惨な現実のメタファーかもしれず、そして崇高な祈りなのかもしれない。圧倒的なロケーションと洪水のようなサウンドトラックに心身酔った2時間でありました。
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