ごてふ

音楽のごてふのレビュー・感想・評価

音楽(2019年製作の映画)
3.6
新宿・武蔵野館にて。平日夜の部。場内若年層中心に男女30名内外と程好い空き加減。原作コミックあるようだが未読。但し原作者の他作品には接したことはある。その絵柄は昨今はやりの情報量満載のアニメ作品に見慣れた身には、太古の壁画のようにプリミティブかつシンプルでいっそ潔い。登場人物たちの心情は、その無表情(?)からは窺い知れず、観る者の想像力が要求される。我にも振り返れば甘味と羞恥が蘇るバンド経験あり。なるほどリコーダーとは強烈な飛び道具なり。モノ云わぬが琴線を震わす魔笛なり。魂の叫び、というのは決して誇張ではなく、それをノイズと感じる者には陶酔を誘う天使の羽音は聴こえないだろう。舞台にあがると人格が変わったかつての悪ガキ仲間を思い出してノスタルジックな心地に浸れた70分。
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