ごてふ

37セカンズのごてふのレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
4.0
新宿ピカデリーにて。初日。監督ほか主要キャストの華やかな舞台挨拶付き。場内満席。全く予備知識なく一部で話題になったという監督の前作(短編)も不知。開巻から10分で作品世界に引き込まれた。カット・画面構成と演出力に並々ならぬ技量を感じた。設定は女性版[セッションズ]なのだが、邦家の主人公の葛藤と苦悩は生々しい。性的妄想や性欲の処理には誰もが応接に苦慮する。本作の肝は親離れ(自立)のプロセスにあり、後半の跳躍と併せて実に自然で説得力があった。リサーチの行き届いたディテールとヒロインの成長(変化)を繊細に描写したシークエンスの数々。過去にもハンデキャップのある人々の性については[暗闇に手をのばせ][パーフェクトレボリューション]など男性目線の作品はあったが、真正面から女性を主人公にした作品はなかったように思ふ。達者で豪華な脇役陣の競演も見もの。特に舞台出身の神野三鈴、入神の演技は必見。口コミでジワジワと観客動員を増やしてほしい良作。
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