みなりんすきー

サスペリアのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
2.9
『私が取り込まれる様子に彼女は気づいた』

『あの建物には隠された秘密がある 連中は戦争当時から地下に』

『マダムの教え方はすばらしいのよ パワーの輝きを受けると中毒になるほど』

『目を閉じて 今夜は夢を見ないで』


■ あらすじ ■
米ソ冷戦下にある1977年のベルリン。アメリカからやって来たスージー(ダコタ・ジョンソン)は、憧れの振付師ブラン夫人(ティルダ・スウィントン)率いるマルコス・ダンス・アカデミーを訪れる。オーディションを受け見事合格したスージーは、無事アカデミーに入団することとなる。
一方、心理療法士クレンペラーの元を訪ねてきた少女パトリシアは、怯え憔悴し切っていた。彼女はマルコス・ダンス・アカデミーの一員だったが、あそこには秘密があり魔女達によって支えられていると話し、それについて記した手記をクレンペラーのオフィスに残し、姿をくらました。


■ 感想 ■
『サスペリア』
(『Suspiria』)

1977年公開のオリジナル『サスペリア』は随分昔に鑑賞済。一応なんとなく覚えてはいる。
オリジナルの時と同様、”決して、ひとりでは見ないでください”の謳い文句で大々的に宣伝されてましたね。当時私も気にはなっていたのですが、あまりにも評価が悪かったので映画館ではいいや、と思い観に行きませんでした。

うん、よかった観に行かなくて。笑

結局のところ、世界観がカオスすぎて、100%製作側の意図を理解するのはもはや無理なんだよね。当時の魔女と極左テロ組織についての歴史とか宗教とか、クレンペラーのモデルになった実在した人のこととか、政治とか、とにかくそういったあらゆる面での知識と見解が無いと、そもそも本当の意味での理解には辿り着けない作品。そういう映画よくあるけど、ぶっちゃけ一般受けしないのも賛否両論が巻き起こるのも当たり前。それが分かっているはずなのに、それでもここまでカオス映画に仕上げちゃうんだもんなー。なんつーか、やりたい放題って感じ。

そういう意味での理解は始めから諦めて、じゃあとりあえずグロ面だけでも楽しむかー、と思っていたのに、グロもなんか中途半端。よく見えないし。見応えあったのは序盤の鏡の間のシーンくらいかなぁ。終盤の血の饗宴のところは暗すぎてイライラ。派手にやるならもっと見せろや、それはズルいやろ。

ティルダ・スウィントンがいてくれたおかげで何とか絵面的に安心感は得られたものの、それ以外は特に見どころ無し。ミア・ゴス割と好きな女優さんだけど、ちょっと見せ場少なかったなぁ。かわいそうだし…

ティルダ・スウィントンが今回3役演じられているらしいんだけど、全くの別人すぎて本当に言われるまで気付かなかった。特殊メイクは勿論のこと、仕草や声が全然違うんだもん…すげぇや。でも個人的には『ドクターストレンジ』や『アベンジャーズ』で馴染みのある女優さんなので、劇中でいきなりストーンの力使ってくるんじゃないかと思って見てました。そんなことはなかったです。

ダンス、確かに凄いんだろうけど、イマイチその魅力というか凄さが分からなかった…なんかずっとハァハァ言いながら意味不明な動きしているだけに見える……。